介護の現場でも看護師が求められています

看護師の皆さんは、自分たちが働く場所についてどのように認識していますか?看護師の就業先は病院だけと勘違いしている看護師は少ないとは思いますが、実際にどれほどの割合の看護師が病院以外で就業しているかご存じですか?「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、看護師の85.1%が病院と診療所に勤務していることがわかります。では残りの14.9%の看護師はどこに勤務しているのでしょうか。

実は、半分以上の10.5%は訪問看護ステーションや介護保険施設などに就業しています。このことからわかるように介護の現場においても看護師が求められています。

介護の現場で看護師が必要な理由とは?

介護施設で働く看護師介護の現場で働くのは介護士のみと考えてはいませんか?そんなことはありません。日本の高齢社会を受けて、現在では数多くの企業が老人ホームなどを経営しています。それぞれの施設は工夫を凝らして差別化を図っており、入居者の確保に必死になっています。また、介護施設は病院の負担軽減も目的の中に含まれており、有料老人ホームなどでは看護師の設置が義務となっています。すると医療的ケアが施設内で行えるため、病院の負担も軽くなります。

今や人口の28%以上が65歳以上の高齢者です。老人ホームの入所者数も増えており、2025年には団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年問題も迫っており、日本に住む以上誰にとっても無関係な話ではなくなりつつあります。

2025年に発生する問題中には当然、介護や医療に関するものもあります。もしすべての看護師が病院に勤務していたら老人ホームの経営は立ち行かなくなることが考えられます。

介護施設での仕事の特徴は?

介護施設でも看護師の需要があることはわかっても、仕事内容の特徴ややりがいについて分からなかったら働いてみようという気持ちにはならないでしょう。そこで、簡単に仕事内容ややりがいをご紹介します。

まず、仕事内容は介護士のような利用者の介護(手助け)ではなく、医療的ケアが中心です。たんの吸引や床ずれの処置、糖尿病患者へのインシュリン注射などが考えられます。施設によっては看取りも行うため、人生の最後を見届ける職業とも解釈できます。長い間施設に勤めていると入所者と交流を深められることもあり、感謝の言葉をかけてもらえることもあります。

また、介護施設の入所している高齢者の多くは、なにかの病気等を抱えていたとしても症状が穏やかで、容体が急変するリスクが比較的低い方ばかりです。そのため、病院勤務とは違い夜勤シフトがない施設も少なくありません。看護師として働きたいけれど、夜勤がネックで働くことが難しいと考えていた方にはおすすめの就業先といえるでしょう。

もちろん、看護スタッフが常駐している施設も数多くあります。その一例がこちらの渋谷区の有料老人ホームです。こちらではがんの末期・ターミナルケアなども行っており、利用者やそのご家族からも「充実した医療的ケアが受けられる」として人気が高い施設です。