看護師のスキルアップにつながる資格とは?

フレッシュな看護師の写真

看護師は現在、病院のみならず、さまざまな医療・介護の現場で求められています。複雑化する現場のニーズに応えるためには、看護師のスキルアップも必須といえるでしょう。今回は、スキルアップを目指す看護師向けにおすすめの資格や学び方についてご紹介しますが、スキルを活かすためにはキャリアも必要。まずは、キャリアアップに必要なことについてお伝えします。

キャリアアップに必要なこと

必要な情報の収集をする

キャリアアップを目指すには、しっかりとしたキャリアプランを立てる必要があります。
「キャリアアップのために何が必要なのか」など、必要な情報を集めることが最も重要です。
闇雲にセミナーやカリキュラムを積んだり、資格を取得したりしても、キャリアプランと関係のないものでは意味がないので、しっかりと必要な情報を集めましょう。
資格取得以外にも転職という手段もあり、自分の持っている資格に関係なくキャリアアップにつながる求人が出ることもあるので、自分にとって有利な情報を集める癖をつけましょう。

目標に向けて勉強をする

キャリアアップに必要な情報収集ができたら、次のステップとして勉強をしましょう。
勉強と言っても資格を取るための勉強だけではなく、看護師として必要な知識の学び直しや、現場で最新の医療を学ぶことなども含まれます。
勉強は、セミナーや勉強会に参加をすることで、独学だけでは得られない経験や知識を得ることができます。
セミナーを通じて、今まで見えていなかったキャリアプランに気づけることもあるので、積極的に参加することをおすすめします。

スキルアップにおすすめの資格

資格をスキルアップにつなげるためには、需要と将来性がある資格を取得することが重要です。需要と将来性は密接に関わりあっているため、需要はあるけれど将来性がない、あるいはその逆のような資格はほぼ存在しないでしょう。
2025年に団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年問題は、看護師であれば小耳に挟んだことがあるでしょう。このままでは医療と介護、両方の現場が崩壊するのではないか、と危惧されています。2025年以降、医療や介護の現場で活躍し続けるためにも、なんらかの資格を持って、ほかの人とは違う強みを持つ必要があります。今、医療・介護の現場で求められているのは指示を待ち続ける人ではなく、自分で考え、率先して動くことのできる看護師です。そのほか、医療と介護の間に立ち、適切なサポートを行える看護師も求められています。では、そのような看護師になるためには、どのような資格が必要でしょうか。

看護の分野全体のプロフェッショナルに 専門看護師

専門看護師は全国でも数が少なく、高い需要がある専門職の看護師です。期待される看護のレベルは高く、患者やその家族のみならず、医療機関との間の調整や、病院内外での看護師・他の職種への指導が求められるようになります。

専門看護師になるためには、大学院に入学する必要があります。大学院に入学するとなると、入学金などの金銭的な負担をはじめ、通学し続けるだけの体力や勉強へのモチベーションなどが必須となります。そのため、仕事を退職したり、休職したりして勉強に専念することが一般的です。しかし、病院によっては、卒業後仕事への復帰を前提とした通学を支援することもあります。

専門看護師になるまでのステップは厳しいですが、その苦労に見合うだけの裁量を得られるようになります。

看護現場のスペシャリスト認定看護師

特定の看護の分野において、深い知識と技術を持っていると認められた看護師です。
認定看護師の特定看護分野は、感染管理・緩和ケア・救急看護を含む21分野に分かれており、取得した分野によって「〇〇認定看護師」と呼ばれます。
認定看護師の役割は、実践、指導、相談の3つで身に付けた専門知識と技術を用いて適切なケアの実施と後輩看護師への指導、相談をする「看護現場のスペシャリスト」です。

受験条件は、看護免許を有した5年以上の実務研修と、うち3年以上の認定看護分野の実務研修、認定看護師教育機関で6か月以上の教育課程を修了していることが必須条件です。
試験は、筆記試験で認定看護師教育基本カリキュラムに沿った基礎知識が問われるため、難易度はそれほど高くなく、合格率は90%と言われています。

介護保険のプロケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャーは介護支援専門員とも言われ、特別養護老人ホームや、自治体から委託された地域包括センターなどに勤めます。介護を必要とする患者が、介護保険サービスを受けられるよう、ケアプランの作成やサービス事業者との調整を行います。ケアプランが交付されたあとは、プラン通りに介護サービスが進んでいるか確認を行うのも、ケアマネージャーの仕事です。
受験条件は、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士など特定の国家資格を保有し、実務経験が通算5年以上であることです。
「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」からマークシートで出題され、
合格率は約10%〜20%前後と、難易度の高い試験と言われています。

患者の悩みに寄り添いサポートできる 社会福祉士

介護職員社会福祉士は、職業名としてはソーシャルワーカーと呼ばれるケースが多いです。医療・介護の現場で特に求められており、毎年多くの人が登録していますがその登録以上に活躍の場が広がっているため、需要は十二分にある状態です。

社会福祉士になるためには、まずは社会福祉士国家試験の受験要件を満たす必要があります。その受験要件を満たすためには大学に通い、必要な講義を受講し、実習を受けることが一般的であり、ハードルも低いでしょう。通学制の大学のほかにも、通信制の大学でも社会福祉士を目指すことができます。東京通信大学では、通信制で社会福祉士を目指せるコースを開講しています。動画による講義のほかにも、年に1~3回開催される、通学制の講義に近いスクーリング授業があるなど、社会人であっても無理なく社会福祉士を目指すことができます。

医療現場の女性